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なにを考えなくてはいけないか、を整理するためのメモです。
- 憲法は知っていても、法律(論)は知らないという立場から。
1. ブロッキング
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1804/26/news106.html
パケットフィルタリング プロキシフィルタリング DNSブロッキング ハイブリッドフィルタリング
ここにある説明:
DNSブロッキングは、URLとIPアドレス(サイトの実住所)を結び付ける「DNSサーバ」において、 特定のURLに対応するIPアドレスを返さない(あるいは別のIPアドレスを返す)ことでサイトへのアクセスを遮断する手法で、 今回NTTグループの通信事業者はこの方法を採用する。
- なにを意味しているのか分からない。「DNSサーバ」はリゾルバーを指すのだろう。
- アクセスを遮断するためにリゾルバーはニセのアドレスを返す、と想定しているようだ。
JPRS用語: DNSブロッキング https://jprs.jp/glossary/index.php?ID=0189
- DNS(名前解決)を妨害する、それ以上ではない。
名前解決を一箇所で妨害されても、よその名前解決を使うことができるので、遮断には相当しないのではないか。
- 妨害であれば、程度の問題ということにはなる。
-- ToshinoriMaeno 2018-05-17 06:42:59
1.1. 別の解釈
閲覧できないようにする「ブロッキング」
2. DNS ブロッキング
DNSに詳しくない人達がいろんな意味で使っているようで、 なにを言っているのか、意味がとれません。
3. 憲法と法律
「通信の秘密」も日本国憲法をどう解釈するかをよく勉強しないと、いけないようです。
- それを実現するための法律は時代に合わないし、インターネットのことは前提とされていない。
罪罰法定主義という言葉すら、多くのひとには知られていないのでしょう。
DNSやネット上の通信にどう適用すべきか難しいところです。
高木浩光さんの発言もDNSに関する限りすんなりとは受け取れない。
政府がやりたいのは漫画村からのダウンロードの禁止なのか、それすら怪しいが。
- ダウンロードを止めたいにしても、それをリゾルバーに期待するのは方向違い。
漫画村をサービスしている業者を止めないとだめです。
- 同じ業者上の他の利用者が巻き添えになるのは避けられない。
それでもやるとしたら、立法が必要になるでしょう。多分。
4. DNSはインフラか
インフラだと考えるひとたちもいる。
水道が民営化されたときにどういうことが起きるか。調べてみるといい。
一番理解されていなさそうなのはDNSリゾルバーの役割です。
- DNSリゾルバーが土管であるべきだという主張にも一理はあるが、運用者の権利を無視しているので、賛成できない。
spam対策のときと同様で、技術の分からないひとが、法理論だけを振り回しているようで、気持ち悪いのです。
5. ブロッキングとはなに?
まずは、ブロッキングがなにを指しているのか、技術的にはっきりさせたい。
漫画村対策を例にして、議論しませんか。
- 漫画村ドメインの問い合わせを送られたリゾルバーは どういう返事をしても「通信の秘密」を侵害しているという立場もいるようです。
この場合:
- 正しい返事をした場合にだけ、責任を問われない。らしい。
- なぜか。私にはわからない。運用者の裁量を認めない理由がない。
6. 返事をしないという選択
返事をしないだけであれば、通信の秘密を侵害したことにはならない。
- 問い合わせ元によって返事を変えたら、違法になることは当然となるでしょうね。w
IP filteringも違法か。
どういう返事をするかによって、違法性を問われるというのが現状での判断です。
私はパケットの「宛先」やqueryの内容だけが単独で秘密だという主張には無理があるという立場です。
- いつ、誰がというような情報がついていての秘密ではないか。
問い合わせがあったということ自身がありがたいと思うひとはいるかも知れないので、秘密でないとは言い切れません。
ここに言う秘密とは第三者に漏らしたら罪になるもので、自分だけに留めておけば問題にならない。
- 機械で処理して、ログも見なければ、問題にはならないと考えますが、そうは思わない立場もありそう。
7. NTT
http://www.ntt.co.jp/news2018/1804/180423a.html
サイトブロッキングに関する法制度が整備されるまでの短期的な緊急措置として、 海賊版3サイトに対してブロッキングを行うこととし、準備が整い次第実施します。
これがなにをするのかは未知だ。
8. 民事訴訟なら
https://www.businessinsider.jp/post-166523 電気通信事業法で定められた「通信の秘密」の侵害に当たるとして民事訴
もし仮に実施されれば実損も出る、と指摘する。 弁護士として、権利者から要請されて違法コンテンツがサイトに存在するかどうか調べたい時、 のサイトがブロッキングされていればそれができない。同様のことは作家など権利者にも起こりうる、と語る。
憲法の言う「通信の秘密」とはなにか、だれを保護するためのものか、その議論抜きでの技術論は無意味かもしれない。
- 技術を理解していただけでは難しいし、技術の理解ぬきでの法理論もむなしい。
両方に通じたひとはいるのだろうか。このあたりも、インターネット崩壊につながりそう。
-- ToshinoriMaeno 2018-04-27 12:03:49
NTTのやる予定のことが違法なのか、明らかだと言っているひともいるが、
- あまりに曖昧な内容なので、分からない。司法がどういう判断をするかも、予想できないと思っています。
NTTが望ましい対応をしているとは思っていません。念のため。 -- ToshinoriMaeno 2018-04-27 12:14:49
https://twitter.com/keikuma/status/989870666949185536
…その当時、ずいぶんと議論になったはずですけれども 、今回のブロッキングというのは、通信サービスの提供とは全く異なる文脈での規制のために、 通信の内容を参照して、改ざんするものですから、 全く別の文脈で合法であるという論理が必要で、そういう論理は存在しないんじゃないかと思います。
- 自分がすべてを知っているという思い込みがありそう。
NTTに言い訳を教えたくないので、表ではtweetしませんが、違法とは言えない方法があると思っている。
現状でやれそうなこととしては、
- DNSブラックリストを作って、漫画村の名前解決にはSERVFAILを返すことくらいでしょう。
- これなら、嘘ではないので、責任を問われるようなことはない。名前解決しているわけでもない。
こっそりやると非難されるので、やっていることを公開する。
- これなら、通信の秘密を犯したことにはならないと思う。(問い合わせたアドレスの記録などはしない。)
-- ToshinoriMaeno 2018-04-27 15:22:32
9. ネットの中立性
これは「通信の秘密」とは別件なので、今は議論の対象とはしない。 https://twitter.com/katoSat/status/989871021640462336